第10回 行田公園とニイタカヤマノボレ 1月

行田無線塔記念碑

 円形型の行田公園は、あの「ニイタカヤマノボレ1208」の真珠湾攻撃の実行を告げる暗号が発信された海軍無線電信所船橋送信所の跡地利用である。また、東西の広場を繋げる陸橋から西広場入口付近にある船橋無線塔記念碑は、樹木で覆われる公園の中にとけ込んでいるため気付かない人がいるかもしれない。

行田公園西

 当時の電信所鉄塔の高さは約200メートル近くあるものもあり、建設に当たっては東京近郊の下総台地ではこの場所しか無かったと聞く。今の行田公園は、四季の景色を彩る樹木の回廊が続き、野鳥が集い、安らぎを求める人たちのオアシスでもある。
 春から夏にかけて蝶が舞い、蝉が鳴く中、この一角の空間は都会と違い無線塔があった時代のデジャヴに近い感じがする。

By  Hiroyan